職務経歴書の書き方:経験別に徹底解説

転職活動で作成する職務経歴書。採用担当者は職務経歴書から応募者の業務経験と実務面でのスキルを確認し、面接をするかどうかを判断します。
では面接、そして採用につながる職務経歴書にするにはどのようなことを記載すればよいのでしょうか。今回は具体的な職種をいくつか例にあげ、書き方のポイントを解説します。
職務経歴書の基本的なポイント
職務経歴書はこれまでの業務経験を応募先に伝えるためのツールです。ですから、企業側に「実際に会ってみたい」と思ってもらえるように作成することが大切です。採用担当者が目を通す時は、実績や経験、スキルを細かく読み取ろうとしますが、説明が詳細すぎると採用担当者が目を通すのに時間がかかってしまったり、面接で話すことがなくなってしまったりする可能性があります。
具体的な事例を挙げながら、自分の強みを簡素にまとめましょう。そしてどんなことも、ポジティブな表現にするよう心がけましょう。
経験別のポイント
応募する職種によって職務経歴書で伝えるべきポイントは異なります。
いくつかの職種を例に挙げ、これまでの経験がしっかりと伝わる職務経歴書の書き方を紹介します。
IT・WEBエンジニア職

ITコンサルタント
採用担当者はITコンサルタントに必要な理論的な思考能力と、業務課題や解決策をより分かりやすく説明する力があるかをチェックします。論理的な表現を心がけ、ITコンサルタントとしての資質をアピールするとよいでしょう。
インフラエンジニア
採用担当者はこれまで経験したシステム環境や扱ってきたツールをチェックします。どのような「環境」やどのような「規模」で、どのような「工程」を担当してきたのか、その中の自身の役割などをしっかりと記載しましょう。
サーバーエンジニアの場合は使用経験のあるOSやミドルウェア、アプリケーション、ネットワーク機器も記載しましょう。
ネットワークエンジニアの場合は、持っている資格を積極的にアピールするとよいでしょう。「シスコ技術認定者」「ネットワークスペシャリスト試験」「ITパスポート試験」は高く評価されやすい資格です。
社内SE
IT系技術職は、担当している分野によって使用するOSや言語などが異なりますので、これまで何を利用してきたかをしっかりと記載しましょう。加えて、これまでプロジェクトにどのように関わって来たかも重要なポイントになります。基本設計や詳細設計はクライアント側とサーバー側のどちらを担当したのかを、また開発、テスト、プログラムの運用・公開など、どのフェーズを担当したのかも記載しましょう。
営業職

商社
商社と言っても、総合商社と専門商社、国内事業と海外事業など、扱う商品やターゲットによって仕事の幅や深さが異なります。そのため、ポイントとなるのは「応募企業が求める経験値を自分が持っているか」ということになります。応募先企業の業務内容の詳細を確認し、それにマッチする自身の経験や強みをアピールしましょう。扱う商材が多岐に渡る総合商社なら、その中の一つの商材に関わる専門知識や経験があることで採用されるケースもあります。専門商社なら商材の仕入れから提供まで担当するケースも多いので、同様の経験はアピールポイントになるでしょう。
メーカー
メーカーの営業職に問われるのは、売るものに合った「売る力」です。これまで扱ってきた商品やサービスは何か、販売対象はBtoBなのかBtoCなのかなど、「誰に」「何を」「どのように」売ったかを具体的に説明しましょう。そして、そこで培った「売る力」をアピールするとよいでしょう。
金融(銀行・証券・信金・生損保)
金融系の営業職は、会社の売り上げに貢献できる人材を求めていることから、これまでどれだけの実績を残してきたかがポイントとなります。これまでの経歴の中であげた具体的な実績と、その成果を出すために行ったことを具体的に記載するとよいでしょう。金融系の営業職は高い専門性も求められますが、その商材の専門的な知識がない場合でも、これまでの実績や能力、仕事に対する姿勢が評価されるケースもあります。
ものづくり

回路・半導体設計
近年、アナログ回路や高周波に関する設計に関わってきた人材の需要が高い傾向にあるようです。一つの専門性に特化した経験も大切ですが、コアな技術を軸に多くの製品に携わってきた経験もアピールポイントとなります。これまで携わってきたプロジェクトについては開発フェーズ、人数、役割などを具体的に、使用ツールもできる限り記載しましょう。
生産技術・プロセス開発
これまで担ってきた業務内容を「既存ラインの保守と改善」「新規ラインの設計と立ち上げ」「要素技術の研究と開発」の3つのポイントで分類し、それぞれでどのような経験をしてきたかをまとめましょう。生産技術・プロセス開発職は広義な職種ですので、企業によって担当する業務が異なります。現職と応募先企業の業務内容が同じでない場合が多いので、自分の携わった業務の成果を分析し、数値化して記載するとよいでしょう。
研究開発
研究開発職で求められるのは、募集しているポストにマッチする専門性・スキルを持っているかです。どのような分野で、どんな研究を、どれだけやってきたか、わかりやすく記載しましょう。募集している研究分野と自分の経験・専門性が完全に一致していなくても、曖昧な表現にせずしっかりと記載することが大切です。そして、経験や実績だけでなく、熱意をしっかりと伝えることも重要です。複数の応募者の経験値が横一線であったとき、選ばれるのは熱意を持って仕事に臨むことのできる人材です。その開発研究に対する思いもしっかりとアピールしましょう。
品質管理・品質保証
品質管理は一定のスキルがあれば、比較的異業種でも対応できる職種ですので、担当製品と具体的な業務内容を記載しましょう。JIS規格に対する知識があるなど、品質管理や検査に有利になるスキルがあればアピールポイントになるでしょう。さらに、作業者だけでなく、指導者としての経験があれば、その実績も記載するとよいでしょう。
管理部門

経理
経理の仕事は主に「財務会計」「管理会計」「財務」の3つに分かれます。まず自分自身がどの分野に携わってきたのか、具体的に記載しましょう。具体的であればあるほど、採用担当者は評価しやすくなりますので、その業務にどれくらいのレベルで携わったのか、わかりやすくまとめましょう。
総務
総務の業務は多岐にわたるため、自分が特化していることを明確に説明することがポイントになります。一般的に、株主総会関連業務やファシリティ管理、社内規定管理などの経験が重視されます。株主総会関連業務は役員答弁のサポートなど積極的な関わり方をしていることが高評価になりますし、ファシリティ管理に関しては、会社移転のような規模の大きいプロジェクト経験はアピールポイントになります。
人事・労務
人事・労務の業務内容は企業の規模によっても大きく変わるので、「何を」「どの程度」担当したかをわかりやすくまとめることが大切です。人事・労務の業務は大きく分けて「給与計算」「社会保険」「採用・教育」「勤怠管理」「福利厚生」「人事制度の企画」の6つになりますが、応募先の企業ニーズに合わせて業務内容を選び、自身の経験を伝えましょう。「新人事制度の導入」「社内制度の改革」など、主体的に取り組んだ業務があれば具体的に記載してアピールするとよいでしょう。
販売・サービス

店長・店長候補
店長・店長候補の場合に重要となるのは「具体性」です。これまで働いてきたお店のジャンル、エリアや立地、客層、面積、従業員数、主要商品の価格帯など、詳細を記載することで採用担当者は応募者の経験やマネジメント力をイメージすることができます。加えて重視されるのが「売上」の実績です。年間目標に対してどれだけ達成できたか、リアルな数字を記載するとよいでしょう。売上がマイナスであっても、その理由をしっかりと記載することで信頼度が高まります。立派な売り上げを残した実績がある場合には、どうやってその売り上げを達成するための取り組みを具体的に記載するとよいでしょう。
販売職・販売アドバイザー
販売職・販売アドバイザーも「具体性」が重要になります。前職または現職での仕事内容を詳細に記載しましょう。取り扱った商品の情報だけでなく、店舗の規模、スタッフの人数、1日の顧客数、1日の売り上げなども記載しましょう。何をどのような環境で売っていたかを伝えることで、採用担当者に経験した仕事内容をしっかりと伝えることができます。
設計・施工管理

施工管理・設備工事
施工管理はプロジェクトの準備から完成まで、指揮・管理する仕事です。施工管理にはビルやマンション、戸建住宅の建設工事を管理する「建築施工管理」や、道路や上下水道などの土木工事を管理する「土木施工管理」、空調設備やダクト、ガス管なの菅工事を管理する「管工事施工管理」などがあり、それぞれに専門性が必要となりますので、自身の経験と実績を具体的に記載しましょう。様々な現場の経験がある場合には、プロジェクトの種類ごとにまとめ、豊富な経験をアピールしましょう。それぞれの管理業務に必要な専門知識や資格を保有していればアピールポイントになるでしょう。
まとめ
職務履歴書はより具体的な経験・実績を記載することで、採用担当者は「この人がどのような活躍ができるか」をイメージできるようになります。求めるスキル・経験と完全にマッチしていない経験・実績だったとしても、その企業の業務に置き換えてイメージしてもらうきっかけになりますので、わかりやすく記載することを心がけましょう。
職務経歴書の書き方について知りたいことがあれば、是非転職エージェントへご相談を。経験・実績がより伝わる職務経歴書の書き方を教えてくれますよ。
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