固定残業代(みなし残業代)制度とは?

転職活動するなかで、求人情報等で「みなし残業」という記載を目にすることがあるのではないでしょうか。この「みなし残業」とは「固定残業代制度」という残業代に関する制度です。

今回は「みなし残業」と呼ばれている「固定残業代制度」について解説します。

固定残業代(みなし残業)とは?

固定残業代制度とは、一定時間分の時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して定額の割増賃金が支払われる制度です。

一定時間分の残業があったとみなして賃金が支払われることから「みなし残業代」とも言われています。

例えば固定されている残業時間が月10時間と定められている場合、実際の残業時間が10時間以下でも、10時間の残業代が含まれた給料が支払われます。そして、実際の残業時間が20時間だったら、固定されている残業時間の10時間を引いた10時間分の残業代が追加で支払われます。

求人票の見方

固定残業代制度を導入している企業は、求人票に固定残業代制度を導入していることを記載することが職業安定法で義務付けられています。

固定残業代制度を導入している企業は、求人票に以下の3つの内容を必ず記載しています。

  • 固定残業代を除いた基本給の額
  • 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
  • 固定残業時間を超える時間外労働、 休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨

例えば、時間外労働について固定残業代制を採用している場合、

  • 基本給(××円)(□□の手当を除く額)
  • □□手当(時間外労働の有無にかかわらず、○時間分の時間外手当として△△円を支給)
  • ○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

というように表記します。

固定残業代のメリットとデメリット

固定残業代は長時間労働対策のひとつになっています。

仕事を早く終わらせて、固定されている残業時間分より残業時間が少なかった場合でも、決められた分残業代をもらうことができます。働く人にとっては、早く仕事を終わらせて残業を少なくしようという意識につながりますし、会社としても社員の残業時間を減らすことが期待できます。働く側と会社側、両方にメリットがあると言えるでしょう。

デメリットは、固定されている残業時間に達するまでは残業代が増えないということです。固定残業代を導入している企業は一定の残業があることを想定している可能性があると考えるとよいでしょう。

求人票を見る際の注意点

固定残業代制度については、求人票の記載内容が曖昧だったり適切でないことがあり、トラブルに発展するケースもあるようです。求人票を見る時にはその企業が固定残業制度を正しく導入しているか、きちんと確認することが大切です。

例えば、

  • 基本給に加えて「残業代込み」と記載されていて、固定残業代がいくらか分からない
  • 基本給に加えて「残業手当〇円」と記載されていて、残業手当の中に固定残業代が含まれていて金額も分からない
  • 基本給に加えて「営業手当〇円(残業代込み)」と記載されていて、営業手当の中に固定残業代が含まれていて金額も分からない

というような場合は、義務付けられている給与の内訳がきちんと記載されていませんので注意が必要です。

「みなし労働時間制」との違い

固定残業代制度はみなし残業代とも呼ばれていることから、「みなし労働時間制」と間違ってしまう方も少なくないようです。

「みなし労働時間制」とは、労働基準法で定められている制度です。事業場外で労働する場合、労働時間の算定が難しい場合に、事業場外労働について 「特定の時間」を労働したとみなすことのできるというもので、主に外勤の多い営業職によく利用されています。

みなし労働時間制度を適用し、みなし労働時間を8時間としている場合は10時間労働しても2時間分の残業代は支払われないということになります。

まとめ

固定残業代制度は、働く人にとってメリットが多い制度といえるでしょう。
転職をする際、固定残業代制度を導入している企業を選ぶ際には基本給と固定残業代に関する計算方法等が明記されているかしっかりチェックしましょう。

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